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てんびん座、O型、人生だらだら、そんな私の記録です。映画とおいしいものがすき。

by chikat

「悲夢」

「悲夢」ヒューマントラストシネマ渋谷で鑑賞
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キム・ギドクはやっぱり天才でした。
と、終わった瞬間に思わされました。
オダギリは今回台詞があるのだろうか…という期待から入っていきましたが、いきなり日本語で始まったこの作品。
当然他の出演者は全員韓国語。
ということで、これ自体が夢なのかとまず思ったのですが、そう思ったのは最初だけ。
オダギリだけが日本語で会話していても何の違和感もなくなってしまうんです。
絶対オダギリはセリフなしって思いこんでいたんですが、すごくたくさんセリフあるし、日本人の下手な韓国語聞くより良かったと思います。
既にギドクワールドにくっぽり包み込まれて、その感覚で見始めていたんです。
部屋の中の調度品の美しさとか、そとの景色の美しさとか、その色彩感覚もすっかりギドクだし、オダギリ自体がギドク作品の常連俳優であるかのような見事にはまったキャスティング。
相手役のイ・ナヨンもキャスティングされたときにギドク作品のイメージとは違う感じがしたのですが、違和感なくすんなり溶け込んで、かなり難しい状況の役をこなしていたと思いました。
結局この二人がどうして夢でつながっていたのかというと、お互いの恋人が別れた後に付き合い始めたということ?らしいんですが、はっきりと状況を説明しているわけではないのであのシーンからそう受け止めていくしかないのでしょう。
美形の二人の変顔も見もの。
オダギリ目を瞑らないようにテープを張り付けているシーンなんぞ、日本では絶対にあり得なそうです。
内容は本当に悲しい結末だけれども、夢がつながっているというのはなんとも素敵な発想。
ただ、ギドク作品となるとみんな最後が悲しいのでそうなってしまうんですね。
そんな明るい未来があったらギドク作品で亡くなってしまうということでしょう。
刃物を使って血を流したりするシーンもあるけど全体が美しいと思います。
その中で異様な雰囲気を出しているパク・チアの行っちゃっている演技が凄いです。
「ブレス」すぐに思い出しました。
ブレスの時には原色を使った衣装や季節感が印象的でしたが、今回は衣装も白と黒の新のぷるでかつ主演の二人がその色の対称を担っていて、シンプルなすっきりとした色使いが印象に残りました。
オダギリファンというだけでこの作品に飛び込んでいくと?になるかも。
キム・ギドクを知ってからでないとわけわからない…で終ってしまうかも。
★★★★★★★☆☆☆
by chikat2183 | 2009-02-07 23:45 | 映画2009