「ハピネス」
2008年 09月 17日エス・ピーオー試写室で鑑賞

原題/행복(幸福)
ホ・ジノ監督4作目
1998年「八月のクリスマス」
2001年「春の日は過ぎゆく 」
2005年「 四月の雪 」
そして本作。
すごい巨匠と思ったけど今までに残した作品はこの3本のラブストーリー。
淡々と進むラブストーリーの中には季節が移り変わる様子が美しく描かれ、純愛が悲しく語られます。
(「四月の雪」は不倫で純愛じゃないけど)
そして、選び抜かれたキャストも豪華です。
今回、この作品には、ファン・ジョンミンとイム・スジョン。
名前はありますけどね、個人的にはどちらもあまり好きくないかもなあ…と思っていたのですが、ファン・ジョンミンは思っていたよりもすごくいいです!!
見た目がごっつくて、「ユア・マイ・サンシャイン」のイメージが良くなかったのと、色々と細かい役でもよく見かけるんですが、華がないんだよ…というイメージ。
今回は完全にそんなもの吹っ飛ばして、「やるな!」と思いました。
もともと、演技力では定評があったし、安定感は断トツの俳優さんだと思います。
イム・スジョンは最近の韓フェス作品ではちょっとみなおしたけど、ブリっこなイメージがつよいじゃないですか。
そこがなかなか受け入れられなくてどうも苦手だったんですが、この作品に関して言うと、すごく感情が表現されていて感情移入できました。
この二人、どちらも病気で、地方の転地療養の施設で知り合うんですが、あまり病的な痩せ方をしていないのは少し惜しかったです。
もともと病気と分かっているので、どちらかが死ぬのだろうという予測はできましたが、ラストは切ないけれども、彼女は小さなときから療養していてこんな恋愛できたんだからやっぱり幸せな人生を送れたんだと思えました。
どぎつさがないのがいいです。
出会いの場面でいきなりウニに対し「アジュンマ」と呼んだヨンス。
こんな若い女性にでも「アジュンマ=おばさん」って呼んでしまうんだという驚きから入ったのですが、ウニが「私はこう見えても若くはない」みたいなセリフがあったのですが、結局、それは彼女の方が年上だったらしく、お互いの言葉使いが乱れることは全くありませんでした。
字幕にもその通りに出ていましたが「ヨンスさん」「ウニさん」と呼びあい、「です。ます。」調の丁寧な言葉使いで、パンマル=ため口 は一切使われす、美しい言葉で会話されていたのが凄く印象深かったです。
というわけで、会話もゆっくりだったし聞き取れる言葉もたくさんありました。
一緒に住んでいてどうして「オッパー」って呼ばないか不思議だったけど、いつの間にか「年上か…、」って気がつきました。
実際にどっちが年上かはわかりませんが、イム・スジョンの童顔とファン・ジョンミンのチョイ老け顔だから判断するのがちょっと難しいところもあります。
こうゆったりとした純愛を描くのはホ・ジノ監督はやっぱり上手だと思いました。
韓流シネマフェスティバル2008 ラブ&ヒューマン は9月27日よりシネマート六本木で開催、ほか全国順次開催