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てんびん座、O型、人生だらだら、そんな私の記録です。映画とおいしいものがすき。

by chikat

「JSA」

2000年/韓国 原題/공동경비구역JSA(共同警備区域JSA)
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 題名の『JSA』は "Joint Security Area(共同警備区域)" の略。共同警備区域とは、南北分断の象徴である板門店の会談場を中心とした直径800mの区域。元々は南北双方による共同警備がなされ、警備兵や記者が自由に行き来できる地域だったが、1976年のポプラ事件(見晴らしを妨げているポプラの木を切っていた米軍人が北朝鮮軍人に殺害された事件)以降、トラブルを防ぐため軍事分界線がひかれ、南側と北側を両軍が分割警備するようになっている。
 板門店の共同警備区域内で起きた発砲事件を通して、南北兵士の交流と分断の悲劇を描くミステリー・ヒューマンドラマ。パク・サンヨン(朴商延)の小説『DMZ(DeMilitarized Zone:非武装地帯)』を脚色した作品で、1999年の『シュリ』、『SPY リー・チョルジン 北朝鮮から来た男』に続く南北分断をテーマにした大作。「分断」という重いテーマを扱いながらも、娯楽性と芸術性、そしてメッセージ性を見事に融合させた秀作。韓国初のスーパー35撮影によるシネマスコープ作品でもある。
ある晩、数発の銃声がとどろき、板門店の共同警備区域内にある「帰らざる橋」の北側領域で、南北の兵士が死傷する事件が発生。北朝鮮の上尉と若い兵士チョン・ウジン(シン・ハギュン)が銃弾を受けて死亡する。そして、橋の上では韓国軍兵長イ・スヒョク(イ・ビョンホン)が銃傷を受けた姿で発見される。北は南の奇襲テロと、南は北に拉致されたイ・スヒョクが脱出しようとして発生した事件と主張し、両者は平行線をたどる。そこで、南北の合意の下、スイス軍に属していた韓国系スイス人の女性将校ソフィー・E・チャン(イ・ヨンエ)が捜査を始める。ソフィーは事件現場にいた北朝鮮のオ・ギョンピル中士(ソン・ガンホ)と容疑者イ・スヒョクを取り調べる。しかし、捜査が進む中、事件当日イ・スヒョクと共に警備にあたっていたナム・ソンシク一等兵(キム・テウ)が自殺してしまう。あの晩「帰らざる橋」では一体何があったのか?

上尉: 大尉と中尉の間にある北朝鮮特有の階級
中士: 軍曹に該当する階級

 実際の共同警備区域内での撮影は不可能なため、ソウル総合撮影所内に総製作費45億ウォン(純製作費30億ウォン+マーケティング費15億ウォン)のうちの約10億ウォンを投入して、板門店のオープン・セットを製作した。なお、このオープン・セットはテーマパーク化され、見学が可能。
兵役を終えたばかりのイ・ビョンホンが韓国側の兵隊イ・スヒョク役で、またソン・ガンホが北朝鮮警戒所を守備する兵士オ・ギョンピル役で出演。1997年に公開された『インシャラ』で映画デビューした人気美人タレント、イ・ヨンエが久しぶりに映画出演し、中立国の女性将校ソフィーを演じる。主役の南北兵士4名(ソン・ガンホ、イ・ビョンホン、キム・テウ、シン・ハギュン)による演技のアンサンブルが絶妙。なお、南の兵士ナム・ソンシクが自分の彼女の写真を見せるシーンで、写真に写っているのは人気女優のコ・ソヨン。

 監督はこれが3作目となるパク・チャヌク。製作はイ・ウンとシム・ジェミョン(夫婦プロデューサー)。パク・サンヨンの原作を脚色したのは、キム・ヒョンソク、北からの亡命作家チョン・ソンサン、イ・ムヨン、そしてパク・チャヌク監督の4名。撮影はキム・ソンボク、照明はイム・ジェヨン、美術はキム・サンマン、セットはオ・サンマン、音楽はチョ・ヨンウクとパン・ジュンソク。

 パク・サンヨン(朴商延)の原作小説『DMZ』は、文春文庫より『JSA 共同警備区域』という題名で邦訳(金重明訳)が発売されている。この小説は、1996年に韓国の出版社「民音社」が主催する「今日の作家賞」の最終審査で「内容が非現実的」との理由で落選した作品だが、これを残念に思った審査委員イ・ムニョル(李文烈,『われらの歪んだ英雄』の原作者)の推薦で『世界の文学』に掲載され、翌年の1997年に民音社から出版されたという経緯がある。

 韓国では、企画段階に始まり各種行事の場面などを収めた90分のメイキング・ビデオと書籍『共同警備区域JSA、こうして作られた(仮題)』が2001年5月に発売予定(韓国のスポーツ新聞の記事による。その後、実際に発売されたかは未確認)。

 日本では、サントラと加藤登紀子が歌う日本語テーマ曲『宛のない手紙』が発売されている。

 この映画のシナリオ作業に参加した北からの亡命作家チョン・ソンサンが、『JSA』の仕事で得たお金をつぎ込んで、京畿道の清平に「お母さん、故郷列車」という『JSA』のテーマパークを建設。ここでは、北朝鮮の飲食物なども提供しているという。

 秋夕映画として2000年9月9日にソウル43スクリーンで公開され、公開直後の土日二日間でソウルで165,874名を動員したのに続き、公開二週目の土日には週末動員記録となる227,000名を動員。他にも韓国映画歴代最多前売券販売(5万枚)、ソウル100万人動員最短記録(15日)、同200万人動員最短記録(47日)、9週連続ボックス・オフィス1位など輝かしい記録を樹立し、大ヒット。そして2001年1月4日には、ソウルで2,448,700人の観客を動員し、『シュリ』が持っていた歴代最多観客動員記録(ソウル観客2,448,399人)を更新した。最終的には154日間のロードショー期間中、ソウルで2,513,540人、全国で583万人の観客を動員した。また、テレビ放映権を12億ウォンという史上最高値でSBSと契約したことや、ビデオ販売量が『シュリ』の持つ従来の韓国映画ビデオ販売記録を凌駕したことも話題となった。

当初はソウルの動員数でも全国の動員数でも『シュリ』を上回ったと報道された『JSA』だが、その後、映画製作家協会が「全国動員数の集計方法が『シュリ』と『JSA』では異なっており、『JSA』方式を『シュリ』に適応すると全国動員数は『JSA』が583万人、『シュリ』が620万人で、『JSA』は『シュリ』を越えていない」と発表。現在では、『JSA』は(統計的に信頼のおける)ソウルのロードショー館での成績は『シュリ』を越えたが、(信頼度の落ちる)全国統計では越えていないとされている。

 自由化・民主化により、韓国ではこの映画のように映画の中で南北兵士の交流を描いたり、人間味あふれる北朝鮮兵士を登場させることができるようになった(以前は国家保安法などにより表現が厳しく制限されていた)。また、2000年6月の歴史的南北頂上会談による南北融和ムードの促進は、『JSA』の大ヒットの要因の一つに挙げられるだろう。しかしその一方で、公開前のレイティング審査では「北朝鮮兵士を美化しており青少年に悪影響を与える」という理由で、「18歳以上観覧可」の等級が付与されたり(製作社のミョン・フィルムが再申請を請求し、世論の後押しもあり最終的には「15歳以上観覧可」のレイティングで公開された)、公開後の9月26日には、板門店の共同警備区域で実際に勤めていた軍人で現在は予備役扱いの人々の集い「JSA戦友会」が、ミョン・フィルムに乱入。「背景や銃器などは現実そっくりなのに、内容が非現実的すぎ、軍の名誉を失墜させ、国民を惑わせた」と抗議して、以後、映画館では「この映画は実際の勤務状況とは異なる」という字幕が入るようになるなど、反動的な動きも目立った。しかし、それにもかかわらず韓国民がこの映画を受け入れ記録的な大ヒットとなった点に、この映画の価値、そして韓国社会の変化と成熟を見て取ることができる。
 第51回(2001)ベルリン国際映画祭コンペ部門、第23回(2001)モスクワ国際映画祭National Hits部門、第36回(2001)Karlovy Vary国際映画祭回顧展「ニュー・コリアン・シネマ」、第15回(2001)英国リーズ国際映画祭招待、第24回(2001)アジアン・アメリカン・フィルムフェスティバル・クロージング作品、第3回(2001)ドーヴィル・アジア映画祭グランプリ・主演男優賞(ソン・ガンホ)・人気賞、イタリア第15回(2001)Far East映画祭優秀賞、第24回(2001)シアトル国際映画祭「ニュー・ディレクターズ・ショーケース」部門審査委員特別賞、第44回(2002)ブルーリボン賞作品賞(外国映画)受賞作品。

 第3回全州国際映画祭2002「韓国映画回顧展」部門上映作品。

 第1回(2000)釜山映画評論家協会賞主演男優賞(ソン・ガンホ,イ・ビョンホン)・撮影賞(キム・ソンボク)、第8回(2000)春史映画芸術賞最優秀作品賞・監督賞(パク・チャヌク)・男優助演賞(シン・ハギュン)・照明賞(イム・ジェヨン)・音楽賞(チョ・ヨンウク)・技術賞(キム・サンマン,オ・サンマン:美術部門)、第21回(2000)青龍賞最優秀作品賞・監督賞(パク・チャヌク)・男優助演賞(シン・ハギュン)・撮影賞(キム・ソンボク)・韓国映画最高興行賞、第37回(2001)百想芸術大賞監督賞(パク・チャヌク)、第24回(2001)黄金撮影賞新人男優賞(キム・テウ)・最高人気賞(イ・ビョンホン)、第38回(2001)大鐘賞作品賞・主演男優賞(ソン・ガンホ)・美術賞(キム・サンマン)・音響賞(キム・ソグォン)受賞作品。また、第5回女性観客映画賞-2000年女性の観客が選ぶ最高の映画で「今年のベスト韓国映画」に選定された。

シネマコリアより

たまたま図書館のビデオコーナーに置いてあったので借りた作品。
以前にTSUTAYAで一度借りたのですが、15分ほどで飽きてしまい断念しました。
今回はちゃんとみてみようと思ったのですが、やっぱりいまいちわかりにくかったです。
久々のビデオなんですが、画像が暗くて顔の識別がしにくく、誰がしゃべっているか分かりにくかったのです。
そりゃあ、イ・ビョンホンとソン・ガンホの区別もつくし、シン・ハギュンだってちゃんとわかるんですが、かんじんなところでどっちがどうしたってところがわからなくなっちゃうんです。
クライマックスのところが一番分からなくてかなり残念だったと思います。
二人の死体というのがどういう状況だったかわからなかったのです。
状況というかガンちゃんが撃ったということはわかったんだけど…。
自分とイ・ビョンホンを守るためだったのか?
ってその辺の表情とかほとんどわからなかったのです。
もう一度みたいとは思わないけど、当時あんなに世間が騒ぐほど面白いとも思いませんでした。
それは国の分断ということに直面していないからなのかなあ。
だた、南北の兵士たちが4人で楽しそうに過ごすシーンは結構緊張感もあって、結局予想とおりの展開となりましたが、その辺は目を離す余裕はありませんでした。
どうして早く帰らないのかずっと人ごとながらヒヤヒヤしていました。
まだ、イ・ビョンホンも若くて、怖いもの知らずてきな雰囲気が良かったんでしょうね。
イ・ヨンエはどこから見てもきれいで、女性がみてもうっとりしてしまいます。
by chikat2183 | 2008-06-26 23:32 | DVD