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てんびん座、O型、人生だらだら、そんな私の記録です。映画とおいしいものがすき。

by chikat

「弓」

「弓」FS汐留で鑑賞
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キム・ギドクの作品は今日はじめて見るのかと思ったら「サマリア」は彼の作品だったのですね。先日シャンテシネでこの作品の予告を見たときに、すごくこわい(ホラーとかスリラーとか言うのではなく)映画なのかという印象を持ちました。しかし、キャッチコピーは愛の物語と書いてあり、この応募したときの新聞記事には『ラストはかなりエロい』と書いてあり、予想はつきませんでした。(エロいからみにいったわけではありません)
実際に終わった後の感想は男のエゴを描いたファンタジーだった!かな。とにかく各シーンが芸術的に美しい。舞台は海に浮かぶ古い漁船の中のみ。相当に小さな空間。そして海と空。静かな幻想的な音楽。主人公の老人と少女は一言の台詞もなく、動作と表情だけで感情を表現していきます。読み取る観客もかなり心にゆとりを持たないとその感情は読みとれなくなります。監督は「弓」を小道具にピンと張り詰めた空気とかを表現したらしいけど。確かにかなり張りつめている客席の空気。この老人のやることもすごいけれども、世の中を知らない少女の気持ちの中に入り込むのは至難の業。この子サマリアで援助交際していたキム監督の秘蔵っ子だったのですね。見たことのあるようなないような、それでいてすごい表現をしてきます。すごい女優です。そして最後のエロいシーンというのも芸術的です。ネタバレしてしまうのでそれ以上かけません。オールヌードでもなんでもないのに、こういうのアリなんだなあという感心。それにしても男の人って本当にそんな気持ちなの?恋愛以上の家族的な感情はあるにしても構想そのものが考えられないけど、ありそうだなーなんて気持ちもかなり持ちました。もう一人の主人公の青年。とってもさわやかでよかったです。が、女の子が小さな恋愛感情を見せたらもう少し早く救ってあげてほしかったな。彼が唯一の現実なのだから。終了後さわやかな気持ちには絶対になりません。おじさんたちの感想を聞いてみたいものです。男性の欲望って…。最後にあれ?この老人、本当は誘拐犯jというか、拉致監禁犯じゃない!日本のあの事件とかヒントにしたんだろうか?★★★☆☆
by chikat2183 | 2006-08-25 23:10 | 映画2006