「あらしのよるに」
2005年 11月 06日早朝より行ってしまって「あ、失敗!」と思いました。会場は小学校入学前の子供ばかり。思いやられる…、と思いましたが意外と大丈夫でした。でもこの当選はがきは女性誌Fで当たったものです。子供向けの作品ではあるけどまさか1/3子供とは思っていませんでした。もっとリサーチするべきでしたね。って、完全に子供向け作品ですから怒っても仕方がない。無駄と言うものです。
木村裕一さんの仕掛け絵本が原作。「あらしのよるに」はその中でもそのたった一夜のお話。そして木村さんの6冊に及ぶ絵本の世界が描かれているはずでした。原作を知らないのでその1冊1冊の面白さはわからないけど、その内容を製作サイドが無理やりくっつけて作った大作アニメなのでしょう。木村さんのインタビュー記事を読んでいると「あらしのよるに」の原作はそのままで絵本の原作は面白そう。たぶん、このストーリーに関して言えば原作に忠実にアニメ化されていると思います。あらしの夜の小屋の中で雨宿りしていた狼と山羊は相手がわからず、次の日お互いの姿を見て驚く。すごく楽しい絵本の世界です。しかし先が進むにつれて、おかしい!!ファンタジーの世界であってもおかしいよ。狼と山羊の共存。動物園の中の人間に飼育された世界ではないんだから。タイムスリップも歴史は変えてはいけないって言っているのと同じで、生態系は変えてはいえないと思います。子供向けならなおさら。その意味で「マダガスカル」の方がやっぱりうまいと思いました。途中から環境破壊のハナシかと思うようになってしまったのです。終わったとき「ハッピーエンドでよかったね」と言っていた子供を連れたおかあさん。私は山羊は狼に食われてしまった方がハッピーエンドではなかったかと思ったのでした。友情を描くなら狼と山羊でなくても良かったのでは?キャラクターもこの作品用に作ったものですよね。かわいくないんだなあ。中村獅堂の声優は合格点。声だけで、こぶ平(失礼しました、正蔵さん)、坂東さんはわかりました。この辺は無難にこなしていたし、市原さんや山ちゃんは安心していられるのですが、メイの成宮君がぜんぜんキャラとあっていないし、全く言葉に感情がない。抑えすぎなんだか下手なんだか。アイドルタレントの吹き替えよりいただけませんでした。神木くんのような子役にやらせた方がしっくり行ったのではないでしょうか。とにかく子供は何でも真に受けるから間違ったことをインプットしてはいけませんよ。当然のことながら1時間47分は子供には長い。飽きて帰る親子なんかもいました。もう少しすっきりまとめて欲しかったです。そしてファンタジーの世界を素直に受け入れられない自分に怒れ!★★☆☆☆