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てんびん座、O型、人生だらだら、そんな私の記録です。映画とおいしいものがすき。

by chikat

「マイ・ファーザー」

「マイ・ファーザー」 東京FMホールで鑑賞

どういう作品だかまったく知らず見に行ったわけで、初っ端から重たい。待っている間のBGMはゆったりといい感じのクラッシックがかかっていて画面の美しい幻想的な作品かと思っていた。しかし、その間にチラシを見たらキャッチコピーがすでに『父よ、あなたは本当に罪人だったのか…。』ヒトラー政権のもと、”死の天使”として恐れられた医師ヨゼフ・メンゲレ。彼を父に持った苦悩と葛藤をドラマチックに描き上げた、実話に基づく衝撃作。とある。試写状にもきっと書いてあったのでしょうが見ていなかった。しかし、1時間50分の作品はすべてこれに集約されている。今日は作品が何かと知らせる前から3人ほどから「いけません」といわれていたのでその後誰も誘うことなく一人で行った。正解。ちょっと誘えないなあ。人それぞれの感想はあるにしても…。息子が戦犯として恐れられている父を南米まで会いに行って、その時の事実を話してもらうというストーリーにできています。ナチスとかアウシュビッツ収容所とかユダヤ人とか、そんな歴史背景をしっかり把握していないと私のようにまったく入っていけなくてつらい時間をすごすことになる。眠いとかつまらないというのではない。とにかく戦争の歴史なのです。医師ヨゼフ・メンゲレはアウシュビッツで生きたままのユダヤ人を自分の研究材料材料として使っていたわけです。戦犯としての父が罪人ならば息子も罪人という、理屈の合わない状況で父の真実を確かめるわけです。戦争が終わって60年。現実として戦争を知っている人が少なくなって行く中でなんとも重たい空気が会場内にあったのは事実。司会の手島アナが「どんどん画面にひきこまれますよ。」といったけど、引き込まれるというより、当時の人体実験の映像などは(本当にそうなのか作り物なのかは不明)目を背けたくなります。生生しい。主演のトーマス・クレッチマンは「戦場のピアニスト」で主人公を助けた兵士。去年もなんだかわけのわからないCGだかアニメだかSF系にたった一人の人間(もう一人出てたけど女の子は宇宙人だったと思う)記憶には結構新しい。そして戦犯の父にはチャールトン・ヘストンいやーー、年取った。当たり前だけど。会話の中で自分を美化していく父とどういう人間だか判断しかねている息子の葛藤がよく出ています。
でももうみないだろうな。この状況をどういう人が理解して見に行くか考えさせられます。★★☆☆☆
by chikat2183 | 2005-06-27 22:34