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てんびん座、O型、人生だらだら、そんな私の記録です。映画とおいしいものがすき。

by chikat

「ユゴ 大統領有故」

「ユゴ 大統領有故」シネマート六本木で鑑賞
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1979年10月26日韓国内で起こった大統領暗殺事件をノンフィクション風に描いた作品。
どこまで事実でどこまで作り物かはその事件についてほとんど知らないのでわかりません。
オープニングとエンディングに使われているその当時のノンフィクション映像は韓国内はもとより今まで諸外国の公開時にもカットされていましたが、日本のお偉いさんの力添えにより今回この日本での公開に際して初めてノーカット完全版で公開されたといういわく付き。
そんなにすごい映像かといえば日本にすんで事件を知らない日本人の私たちからすれば何とも感じないただのニュース画像なんですけどね。
当時まだ日本と韓国はギクシャクしてたんでしょう。
多分、大人になっていない私なんかも、韓国と北朝鮮が分断していることも、中国や台湾と違う国だということもあまり気にしていなかった頃だと思います。
更に言えば、ちょうどその頃日本海側では北朝鮮からの拉致事件なんかも起こっていたわけで、本当は無視したりわからないとか興味がないとかそんなことで済ませてはいけないことだったに違いありません。
韓国という国が実際に日本と近いということがわかったのはおそらく88年のソウルオリンピックぐらいからのこと。
その頃の韓国だって実際にはまだソウルの中に今のような地下鉄が走っているわけでもないし、発展途上の代表みたいないわれ方をされていたのは記憶にあるんですよね。
作品の中で夜は戒厳令が引かれていて軍や警察以外の車両はもちろん人間一人も歩いていない風景が映し出されますが、そんな画像もなんとなく記憶にあるようなないような。
作品としてはそんな1日を面白おかしくシビアに描いていて、緊迫感と脱力感が程よく調和されみやすい作品になっていると思いました。
まあ、実際そのときの政治的思想とか、大統領の行動とか私たちにはわからないことだらけなのでそこが理解できれば更に興味深く見入ることができたのではないかと思います。
誰がいい人で誰が悪い人とかそんな区別ができない人間の表裏や上下関係がうまいです。
「大統領有故」という邦題もわけのわからない題名だと思ったのですが、事件の翌日に新聞の1面を飾った見出しなんだとか。
でも実際「有故」って言葉は日本語にはないでしょう。
先生がいつも言うのは「韓国人は漢字は読めませんからね。大学で漢字の勉強した人だけですよ。」ということはやっぱりハングルで書かれていたということなのか?
早速「유고」(おそらくこうだろうと予測してハングルにしてみました。)を翻訳機にかけましたが「遺稿」としか出ないので、朝鮮語辞典でひいたところ
「有故=事件があったこと」
まんまでした。
こんなわかりにくい邦題つけないで原題の그때 그사람들 その時その人たち で良いと思うのですが。
それから作品中、日本がどうのといっているのに聞かれたくないことや悪口なんかはわからないように日本語使っていたりずるいと思いません?
さらに日本のエンタメ、演歌など入国禁止の韓国でしっかり日本の歌が歌われていた、どうして入国禁止にしていたのかわからないよね~。
そんなところも興味深い作品でした。
★★★★★★☆☆☆☆
by chikat2183 | 2008-01-04 21:53 | 映画2008