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てんびん座、O型、人生だらだら、そんな私の記録です。映画とおいしいものがすき。

by chikat

「椿山課長の七日間」

「椿山課長の七日間」有楽町朝日ホールで鑑賞
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予想外に涙が流れました。号泣とは行きませんが、会場内全体的に結構きてました。こういう作品だと思っていなかったのです。浅田次郎原作ということは知っていましたが、西田敏行の浜ちゃんのイメージがどうしても取れないのでそんな作風かなと思っていましたが、この西田氏演じる椿山課長はデパート勤務ですぐ亡くなってしまうので画面の中で存在があまり邪魔をしていないのです。感情はナレーションでしていますが、姿が伊東美咲さんなのでキャスティングの妙というべきでしょうか。ファンタジーとコメディーと人間ドラマが程よく調和されていたようです。子役さんたちも含め出演者も上手い俳優さんが多く割と豪華ですが大きな作品に作っていないのでバランスとセンスのよさが感じられました。
テーマは死。死後の世界=あの世があるという設定からあの世に永住してもよし、抹消されるもよし。そして初七日までの間の3日間だけ、人間の世界へ戻れるのです。それも整然の自分と正反対の人間となって現世へと戻ってきます。そして、その代償に必ず知りたくないことまでも知らされてしまいます。まず、伊東美咲の苦労がとても感じられます。姿は美女でも中身は中年のオヤジ。歩き方とか座り方とか態度や動作のひとつずつは笑えるんだけれども、多分、そういうことは誰も経験していないのでどういう風にしていいのかわからなかったのだと思います。そこは監督さんの指導次第ということになりますが、演技に手探り感が見られます。それはいいとして、私が個人的に一番よかったと思うのは余貴美子さん。何気ない台詞回しでも何でも存在そのものがなんかほっとさせてくれます。そして須賀健太君。彼今回もが泣かせます。印象に残るおかしなシーンもたくさんあるし、見た目よりも血のつながりを深く感じるシーンもあるし、癒し系とは言わないまでもそれに近い作品であると思います。
生きているときに、友人や家族が自分のことをどう思っていたかを知ったとき、知らなくてもよかった家族の秘密を知ったとき、自分だったらどうするだろうなんて珍しく考えちゃったりして。あの世では争いもなく、生前のお疲れ様という意味でゆっくり過ごしてほしいって天使の和久井映見ちゃんが言っていましたが、逆に悩みが増えそうだなんて思いました。ドラえもんのポケットみたいなカバンがおかしい。それと絶対にアドリブなのですが最後に椿山氏が天使に握手うを求めるシーン、和久井映見ちゃんちょっとびっくりしたみたいな顔してたけど。おかしかった。
なにか見たいときに楽しめる1本だと思います。最近こういうほんわかした作品が好きです。★★★★☆
by chikat2183 | 2006-11-10 23:56 | 映画2006