てんびん座、O型、人生だらだら、そんな私の記録です。映画とおいしいものがすき。

by chikat

「麦の穂をゆらす風」

「麦の穂をゆらす風」TOKYO FMホールで鑑賞
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カンヌでパルムドールを獲ったからといって誰でもがうけいれられる作品であるとは限りません。作品がいいとか悪いとかそういう問題ではなく「麦の穂をゆらす風」という邦題から感じられる作品内容とは全く違うものなのです。だからこれにだまされてみてしまった!と思う人も多いと思います。この邦題、実際に和訳すればこうなるんだけれども、バックに流れる曲の題名であって、作品内容はかなりきついです。そんな曲すら私は知らないし、どの曲がそうなんだかもわからないです。美しい音楽は流れていなかったと思うのでそれも監督の狙いなのでしょう。実際私の隣にいた女性、かなりの映画好きらしいけれども30分で退席しました。その後10分でその連れの方も…。それからすぐ真後ろの人も。隣の女性はもう頭を下に向けて顔を手で覆い、ほとんど画面を見てはいませんでした。それぐらい内容を下調べしてあればそんなシーンの連続であることは理解できていたと思うけど、しかたないかも。とにかく戦争映画のような派手な銃撃戦ではないけれどもそれよりもみるに耐えない残虐なシーンの連続です。監督はいったい何を伝えたくてこの作品を作ったのか、私には伝わるものが無かったそれぐらい厳しいシーンや恐怖におびえるシーンの連続。早い話が反戦何だろうけど、銃撃戦よりも人間のいやらしさが出ていてて、実際にはこんななんだろうと思わさせられます。しかし、戦いも誰と誰が戦っているのかを理解するのがとても難しいのです。仲間であったはずの兄のテディとデミアンがいつの間にか敵になっているんだけど、微妙な感情や思想の行き違いとか権力闘争とか、宗教上の問題とかそんなものが複雑に絡まって結局は兄の手によって弟は処刑されてしまうのです。前作「プルートで朝食を」で妖艶な女装姿を見せたキリアン・マーフィーですが今回は何だろう、良くわからないけど主演です。彼が中心に描かれているけれども彼ばかりではなく彼を取り巻く仲間とか遠目で見た感じでしょうか。作品は丁寧に作られていることは感じられます。賞をとるのも納得できるような作品ではありますが、とにかく残虐さばかりが印象に残ってしまいます。たまーに写される美しい風景がほっとっせてくれます。キャッチコピーに書かれている感動とか涙とかそういうものは期待しないほうがいいと思いました。
★★★☆☆
今年は兄弟をテーマにした作品が多いですが、それぞれが個々の人間であって同じ環境で育ったとしても同じ感情を持ち合わせないし、考え方や生き方そのものが根本的に違うので血が繋がっているだけに複雑なものだということは理解できました。
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by chikat2183 | 2006-10-25 23:03 | 映画2006 | Comments(18)
Commented by april_foop at 2006-10-26 09:36
連投すみません。
おっしゃる通りタイトルから爽やかな感動作を想像してたのに、とんでもなかったですね。
救いのなさはかなりのもんでしたけど、映画としては良くできてたのかなー、と思いました。
Commented by wako at 2006-10-26 16:19 x
また同じ会場だったのですね!
そうか、タイトルはさわやかさが漂っていたのですね。あらすじを読まない私ですが
ケン・ローチ/アイルランドのキーワードから、重暗い映画をみる構えが出来ていました。ずっしりと重いものが心に残って、消化不良かもしれません。
Commented by chikat2183 at 2006-10-26 22:15
april_foopさま
たしかに映画としては嫌いではないです。
陰湿なシーンが多いというだけだけれども、爪をはがされるシーンはお尻が疼きました。
Commented by chikat2183 at 2006-10-26 22:18
wako さま
狭い会場でも気がつかないものなんですね。
前から2番目の左端だったんだけど開映間際に前に座った男性の座高がやたら高くて字幕読むのに苦労しました。
ちょっと読めなかったところもあったのでわからなかったところがあったかなーって思います。
Commented by charlotte at 2006-11-19 16:31 x
こんにちは。
感動作・・・というより私には衝撃作でした。
ラストまで見てくると、感覚が麻痺してるんです。辛さも何も感じなくなっちゃうところがこわいですよ。虚無感というのかな・・・。
どっかにもっとあからさまな希望をしっかり描いて欲しかったです。もうずーっと引きずりそうですよ。あの爪を剥ぐところとか・・・。うぅぅ
Commented by chikat2183 at 2006-11-19 23:51
charlotte さま
おぉ、衝撃作、なるほど…。
私も感動するところはなかったです。
すごく考えさせられたけど、厳しいシーンが多すぎるんですもの。
charlotte さんの爪をはくというコメントで、それだけなのにまた背中がうずく感じがします。
自分の爪ながめちゃった。さむっ!
Commented by きらら at 2006-11-30 23:01 x
こんばんは☆
こんなに悲惨な映画だと思っていなかったからビックリでした。
途中で退場しちゃう人の気持ちもわかるような、、、私は爪をずっとさすっていました。
キリアン・マーフィーの目が凄かったです!
Commented by chikat2183 at 2006-11-30 23:52
きらら さま
また、爪のシーン思い出しちゃった!
おしり痛い!
キリアン・マーフィー、前作があれ、今回がこれ。
役者よねー!って思えますよね。
こういう仕事が楽しいんだろうなって。
この策も注目ですね。
Commented by 未来 at 2006-12-10 00:40 x
こんばんは。
私も・・・「感動や涙」とは違いました。
映像的に残酷な作品が多い中
ストーリーや内側から来る残酷さや哀しみで辛かったです。
これを繰り返す人間の愚かさを痛感、
鑑賞後も重苦しい感覚で一杯でした。
Commented by chikat2183 at 2006-12-10 18:42
未来さま
作品はけっして悪くないのに、終わったとの重さが耐えられないんですよねー。
人間はこの先も闘争を繰り返して生きていかなければならないんでしょうね。
ばかばかしいと思いながら権力に負けるのはどうしようもないことなのですね。
Commented by ALICE at 2006-12-11 09:36 x
こんにちは。映画館では思っていたのと違ったのでしょうか?
途中(爪をはがれるシーン)で退席者が二人もいましたよ。
キリアン・マーフィーは映画によっていろんな姿を見せてくれますね。
決して男前とかではないんだけど味があってオーラがある素晴らしい
俳優さんですよね。この先オスカーも獲りそうな臭いもします。どうかな?
Commented by chikat2183 at 2006-12-11 22:05
ALICE さま
題名から感じ取ったイメージの作品と違ってたのでしょうね。
爪をはがされるまでよく我慢できたと思いますよ。
キリアン・マーフィーはいい雰囲気もっていて目が離せないですね。
Commented by まてぃ at 2006-12-12 23:22 x
こんにちは。邦題のイメージと映画内容は確かに合わない、というよりは正反対といってもいいものですよね。勘違いするのもわかる気がします。でも席を立ってしまった人がいたのはもったいないと思います。自分は「反戦」というよりは「兄弟愛と自分の信条との葛藤」といったテーマを最後の場面では感じました。残虐な場面が多いのは事実ですね。
Commented by chikat2183 at 2006-12-14 00:15
まてぃさま
たしかにもったいないけど、我慢してみているのも相当な辛さだと思います。
やはり友人に血を見るのがダメな方がいてこういうのは恐怖に震えるそうです。
慣れることも必要だけれどもなかなかそうは行きませんからね。
Commented by カオリ at 2007-01-16 00:48 x
ああ、席を立つ方もいらっしゃったんですね・・・
でも、もしかしたら、それが今の日本人の一般的な反応なのかもしれませんね。今でも、世界のどこかで現実に行われている報復の連鎖と言う事実を突きつけた映画でもあったと思います。
Commented by chikat2183 at 2007-01-16 22:54
カオリ さま
しらなければいけない事実だと思うのですが、その生々しさはかなりのものです。
無感動の私でも結構ずしんと重たいものがありました。
普通の人はかなりきついですよね。
Commented by フー at 2007-03-12 09:58 x
政府をつくる。
英国の支配からの独立というアイルランドを舞台に、物語は展開しています。
では、日本ではどうでしょうか?
国民国家ができたのが、明治維新。それは一般には薩長の下級士族による「上からの革命」であったと言われています。しかし、革命の震源地になった長州では、奇兵隊が象徴するように多くの農民や商人、僧、大工などの庶民が参加しました。
 彼らもまた、アイルランドの内戦の悲劇と同じように「諸隊脱隊騒動(暴動)」として、幕末、共に戦った仲間(木戸孝允など)に殺されます。

 日本では、ここらへんの歴史認識が薄いような気がします。民主主義の根幹の部分。
「麦の穂をゆらす風」は、その忘却させられた「日本人」の記憶を呼び覚ます良い映画だったなあと思います。
Commented by chikat2183 at 2007-03-13 00:24
※フーさま
コメントありがとうございます。
>日本では、ここらへんの歴史認識が薄いような気がします。民主主義の根幹の部分。
たしかに歴史認識が薄いというか知らない人が多すぎるのだと思います。
私もあまり良くわかりません。
どこの国も同じような過ちを繰り返しているのに進歩が見られず残念に思います。
記憶をよみがえらす良いチャンスを作ってくれた作品だと私も思います。