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てんびん座、O型、人生だらだら、そんな私の記録です。映画とおいしいものがすき。

by chikat

「カポーティ」

「カポーティ」シャンテシネで鑑賞
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フィリップ・シーモア・ホフマンが主演賞をとったということで話題が先行してしまったようです。とっても地味な作品。ホフマンは当然の事ながらプロデューサーとしても名前を連ねており、カポーティ本人が乗り移ったのではないかと言われるほどのなりきり状態だったとか。1984年に他界したカポーティがビデオなどに画像としてどれほど残っていたのかは定かではないけれど、この作品で言えば1959~1962年あたりの物語でさすがにその頃のカポーティは映像で残っている可能性は少ないハズ。で、冒頭でなにかそのような台詞や字幕が出たのか覚えていないのですが、あの特徴のあるしゃべり方は知的障害がある人間なのかと私はすでに勘違い状態で、なるほど、それで賞をとったのか…と思ってしまったわけです。がどう考えても裁判のやり取りがあったり、作家として相当な作品を残しているわけだから少し考えればそんなことであるわけが無く、最終的に何かを持つ手が小指が立ってたりとかパートナーが云々とか言うことで、なんだ、ゲイだったのかと理解できたのです。どういう作品かといえば、やっぱりホフマンのなりきりをみる映画であって、作品として何が面白いとか楽しいとか、そういう娯楽作品では決してありません。当然ながら金返せ!と思って会場を出る人たちも相当多いと思うし、劇場のあちらこちらから寝息が聞こえてきました。そういう私も数分でも船頭さん状態になったのは事実。淡々と進んでいくドラマには全く起伏が無くカポーティ本人の思惑と彼を取り巻く人々の姿、そんなものしかないのです。「冷血」って言葉、英語にすると「cold blood」ってまんまなんですね。そんな単語は日本語でもめったに使わないし、英語では考えたことも無かったのでそんなことに驚いてしまいました。最終的にこの殺人事件を基にしたノンフィクション作品もカポーティの「結末がわからないと書けない。」という言葉がすべてで、冷血という言葉はカポーティ本人に当てはめた題名なんじゃないのかな?と途中で思ったわけです。それ以降作品がかけなくなってしまったカポーティ、実際に冷血か冷血じゃないか難しいところではありますが。実際にはどうなんだろう。この殺人犯に対しては表向きとっても親切だと思うし、お互いに信頼関係を持っているとも思えるけれども、裏を返せば、死刑になったと言うことはカポーティが作品を書くために裏切ったことだし。さて。★★☆☆☆
by chikat2183 | 2006-10-01 23:02 | 映画2006