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てんびん座、O型、人生だらだら、そんな私の記録です。映画とおいしいものがすき。

by chikat

「ゆれる」

「ゆれる」アミューズCQNで観賞
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先週チケットボックスまで行って満員で入れずあきらめて今週で直しです。昨日一緒に食事に行った六本木のNさんが「みたい!」と言って同行してくれました。よかった二人で。一人ではあまりに重たく苦しいです。まず、監督は弱冠31歳の女性ですよ。それなのに、すごく人生経験を積み込んだような胸に突き刺さるセリフがところどころに聞こえてきて内容に重たさを感じさせました。自分が31歳の頃そんなこと考えたことも無かったし、この10年で色々身近な人間関係で勉強したこともあったので「なるほど!」とか「そうだ!」とか変に感心してしまいました。田舎に住む兄と、東京で成功している弟。基本的にやっぱり兄弟って難しいのよ。相手がうらやましくなってひがむ心を教えてくれるのは兄弟以外にありえないってこと、私は最近知ったのですもの。オダギリジョーはカザリモノかと思っていたけど決してそんなことは無く演技派香川照之と対等に張り合っています。すごいことになってしまっていて途中でどこを注目すべきかわからなくなったほど。「ゆれる」という題名にもうまさを感じました。監督が言いたかったのは心のゆれなのか橋のゆれなのか、引っ掛けていることは理解できるけどその奥にある本当にいいたいことまでは理解できませんでした。そこからサスペンス調にはなるけれどもその辺の描き方はあっさりめで、結局事の真相は自分で考えろ!みたいなところがありましたが、難しいね、ああいうやりとりでは。幼馴染の女の子をめぐる心理的な争いからこれはやっぱりオダギリジョーしかやる役者はいないと思いました。法廷に持ち込まれてからのやり取りはそれこそ、当事者だけでなく周りの人たちも丸裸にされて、みんなが傷つきながら生きていくけど、実際にはもっともっと根深いものがあって、その証言の一言で感情が左右されるということも知っているけど、判決とは関係ないはず。ましてこれは民事ではなく刑事事件であっさりしすぎ。今の秋田県警みたいなところはちょっと違う感じもしましたが。兄弟でも兄とか姉とか、長女長男って本当に家しょっちゃうと大変なのよ。逃げたくなることはたくさんあります。そんな心の葛藤がとてもよく出ていたけど、ラスト、兄は弟を許したか…、絶対許しているとは思えない。人間なんて1度思い刻込むとなかなか元には戻れない。そんな生き物です。そこはドラマ重視の映画ですから…。★★★★☆
by chikat2183 | 2006-07-23 17:49 | 映画2006