「戦火の馬」
2012年 03月 04日2012-025
スピルバーグマジック!
やっぱり、スピルバーグって只者ではないと思わせてくれました。
戦争映画でこの尺。
戦争映画ってドンパチやって結構時間稼ぐので長いものが多いのは事実なんです。
1秒たりとも飽きさせる瞬間を持たせなかったこと。
なんか、戦争のばかばかしさとか命を無駄にするなとかそんな教訓めいたことは一切なく、ひたすら頑張るサラブレッド。
あの少年が主役なわけではなく主役は1頭のサラブレッド。
よく、犬を主役にした映画は見ますけど、ここまで馬を中心に作った作品は見たことがありませんでした。
よくここまで馬に演技させたなあと途中でそっちにも感動しちゃいました。
とにかく、根性丸出しのこのサラブレッドの走る姿は美しく、みんながこの馬の姿に惚れこんでしまうのもわかる。
戦争映画って聞いてたので、さらっとドンパチも流していけばいいかと思ってたのですが、なんか馬と一緒に入り込んでしまいました。
見た目って大事なのよ、やっぱり。
で、何がマジックかというと、それなりに落ち度がなく作られていて、老若男女問わず、戦争映画が嫌いな人でも楽に入って行けるだろうということです。
みる人を選ばないで万人に受け入れられる、そしてロードムービーさながら世界中を駆け巡り元の主人の元に戻る、すなわち感動。
だからと言って深く深く入り込んでいくわけではなくさらっとしてる。
エンターテインメントなんです。
その味加減がいかにも上手でものすごい作品ではないんだけどものすごい作品と感じさせてしまう力量。
それがスピルバーグなんだなあって。
なんかスピルバーグ論でもかましたい感じになってしまいましたが、うまく言い表せないんです。
色々な戦争地を巡るのはまるでこの前みたチャン・ドンゴンのマイウェーなんだけど、主演が馬なので、国に対する感情を表さなくていいというのが狙いだったかもしれません。
絶対オスカーとるわけではないだろうけどしっかりノミネートされるっていうのはスピルバーグの究極の味加減です。
★★★★★★★★☆☆